福島県相馬市に
子どものためのドーム施設を!

杉本 今は、福島県相馬市に子どもたちがスポーツできる「こどもドーム」を作ろうとされているんですよね。

立花 そうなんだよ。人工芝でどんな天候でもスポーツしたり遊べるドームだね。今、僕は宮城にいるけど、福島に行くと原発事故の影響もあって震災被害の根の深さを痛感する。被災地の子どもたちが今でも運動不足気味だということを知って、東北の球団として何ができるか考えて、こどもドームの建設を思い立った。三木谷さんに相談したら「すぐやろう」ということで、今、特設サイトも立ち上げて募金を集めているところなんだ。

杉本 そこに原発があったことに、子どもたちは関係ないですからね。

立花 そうなんだ。原発問題は安直に語ることはできないけど、福島は東北電力の管轄なのに、原発は東京電力のものでしょ。東京に住んでいる人たちは、被災地から目を背けずに、もっと恩返ししなきゃいけないよね。

杉本 ほんとにそう思います。

立花 こどもドームのための募金活動は、試合の度に球場でもやっていて、僕自身、募金箱をもって協力の呼びかけもした。とても熱い言葉をかけてくれて共感してくれる人が多いんだけど、先日、ある男性から「そんなもの、あなたがポケットマネーを出せばいいじゃないか」と言われてね。涙が出るほど悔しかった。

杉本 なるほど。そういうところが陽三さんの熱いところですよね。

立花 とにかく、お互い経営者として、少しでも自分にできることを広げていこうっていうことかな。

杉本 はい。肝に銘じます。

起業家対談シリーズ第3回 立花陽三<br />東北のためにできること、今やらねばならないこと。