矢祭町議会は、2004年に議員定数を18名から10名に削減した。報酬は月額で、議長30万円、副議長22万7000円、議員20万8000円となっていた。期末手当を含めた年間の議員報酬総額は、約3470万円に上った。議員1人あたり347万円となる。小規模自治体のごくごく一般的な姿と言えた。

 定数削減後、矢祭町議会は自らの身を切るさらなる改革を進めた。2007年12月に、議員報酬を日当制にする条例案を7対2で可決したのである。2008年3月末から月額制が廃止され、本会議や委員会出席などに1日一律3万円の日当が支給されるだけとなった。期末手当も廃止され、政務活動費や費用弁償もなし。日当の額を3万円にしたのは、こんな根拠からだった。

どこまでが議員活動と言えるのか
公式行事への出席除外して日当は3万円

 まず議員の日当額を算出するべースとして、町の管理職(課長)の日当を用いることにした。管理職1人あたりの年間平均人件費は、給料や各種手当、共済負担金や退職手当負担金など諸々を入れると、約1056万6000円だった。これを平均出勤日数の236で割り、管理職の日当額は弾き出した。約4万4800円だった。

 常勤職員の勤務時間は8時間のため、議員はその7がけとした。こうして算出された額は約3万1300円となったが、端数を切り捨てて日当3万円にしたのである。

 当初は成人式や敬老会といった町の公式行事への出席も、日当の対象にする予定だった。ところが、民生委員など無償で出席する人がたくさんいる中で、なぜ議員だけ日当をもらうのかという疑問が出され、結局、議会内の活動に限定されることになった。

 実際のところ、どこまでが議員活動かの線引きは難しい。ご本人が議員活動だと言い張るものの中には、単なる集票活動にすぎないものが多い。また、有権者からの相談や陳情を受け、せっせと口利きに走ることが議員の本分だと勘違いしている人も多い。本来の議員活動と票目当ての日常的な選挙活動が、ごっちゃになっているのである。

 矢祭町議会は日当制の導入により、純粋な議員活動とグレーゾーンの議員活動を峻別することにした。本議会と委員会、全員協議会や行政視察などに限定して議員に日当を支給することにし、自宅での調査や研究、準備、住民との話し合いや研修なども対象外とした。