急速に円安が進展し、財政危機が指摘され始めた日本。実際、将来はどうなるのだろうか。そこで「マネー運用完全マニュアル」を特集したダイヤモンドQ編集部では、「伝説のディーラー」の異名を持ち、金融最前線での経験が長く、経済に詳しい参議院議員の藤巻健史氏に、日本の将来を解説してもらうとともに、どう資産運用すべきかを聞いた。

超円安、ハイパーインフレの到来近づく!<br />実質破綻状態の日本は、国債暴落が必至<br />――藤巻健史氏(参議院議員)<br />ふじまき・たけし
1950年生まれ、東京都出身。一橋大学商学部を卒業して、74年に三井信託銀行(現三井住友信託銀行)入行。米ノースウエスタン大学大学院にてMBAを取得。その後、85年に米モルガン銀行入行。「伝説のディーラー」といわれ、債券・株式・為替市場で連戦連勝を誇った。2000年に同行を退職してからは、著名投資家のジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務める。円安による日本の景気回復を唱えてきた。13年に参議院議員に当選、維新の党に所属する。Photo by Toshiaki Usami

──日本銀行は10月、長期国債の買い入れを約30兆円増やして年間約80兆円にする異次元金融緩和の第2弾を発表したが、どう評価しますか。

 はっきり言いましょう。日本の財政はすでに実質的な破綻状態にあります。日銀が量的金融緩和によって延命させているだけです。今回のさらなる量的緩和の決定は予想通り。2013年4月に量的緩和を開始した時点で、後戻りは難しかった。買い入れするほど破綻のマグニチュードは大きくなっている。ハイパーインフレ、円暴落が近づいています。

──円安が急速に進んでいます。

 円安ドル高は長期にそして大胆に続くだろう。FRB(米連邦準備制度理事会)は10月に「量的緩和の縮小」を完了した。これ以上FRBのバランスシートは拡大しない、つまりドル紙幣をヘリコプターで空からばらまくのをやめたということだ。

 一方、日銀はヘリコプターで空からばらまく円紙幣の量を増やした。どちらに希少価値があるのかは明らか。“異次元の円安”がいよいよ始まったと思う。1ドル=114円など序の口もいいところだ。