「いざというときのために」と医療保険やがん保険に加入する人が多いが、日本には万全の公的医療制度がある。保険に加入するのは、その仕組みを知ってからでも遅くはない。ダイヤモンドQ編集部が、失敗しないための基本原則を2つ紹介しよう。

  基本1
高額療養費制度で
自己負担額は抑制

 もし、がんなどの大病にかかったら、どのくらいの出費になるのか、知っているだろうか。

 通常の軽い病気であれば、掛かった治療費の1~3割を窓口で支払う。ところが、1ヵ月の自己負担額が一定額を超えると、「高額療養費制度」が適用され、治療費の一部が戻ってくる。

高額療養費制度は、2015年1月から改革されることが決まっている

 ただし、高額療養費制度の対象は健康保険が適用される医療費だけ。入院中の食事代の一部、差額ベッド代などは全て自己負担となる。

 高額療養費制度は2015年1月に改悪されるが、それでも年収700万円の人が1ヵ月入院して自己負担額は約8万円が上限だ。「大企業などの健康保険組合では、さらに『付加給付』がある場合もある。一般的には1ヵ月の自己負担が2万5000円以内に収まるよう、定められている場合が多い」(ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏)。

 保険の加入や見直しの前に、会社の制度を確認しよう。公的保障では足りない分を民間の保険でカバーするのが、保険選びの大前提だ。