さらに総務省は今年9月、1000万円以上の寄付者に天橋立を望む宅地を贈るとしていた京都府宮津市に対し、「換金性が高く、税控除の対象にならない可能性がある」と注意を促した。ふるさと納税制度の本来の趣旨から逸脱する動きが、目立つようになっていった。

応援する側とされる側が
入れ替わってしまったふるさと納税

 それでも、地元のPRや地場産業の振興に役立てたいといった声が止まず、いまや半数ほどの自治体が特産品などを贈っている。

 当の政府も、ふるさと納税制度を拡充する方針を示している。減税の上限額を2倍に増やすことや、手続きの簡素化である。年末に決定する2015年度の税制改正に、盛り込まれると見られている。どうやら「地方創生」の具体策の1つと考えているようだ。

 そうした動きを見越してふるさと納税者への特典を拡充したり、新たに設ける自治体がここにきて増えている。寄付への「お礼」として、ユ二―クなメニューを提示する自治体も少なくない。

 たとえば兵庫県多可町が用意する特典は、町営ケーブルテレビのニュースキャスターである。100万円寄付した人に、情報番組のキャスターやレポーターの席を用意するという。すでに100万円以上の寄付者に「一日町長」を体験できる特典を用意した自治体(山形県真室川町)もあるが、そのうち多額の寄付をした人に、「首長のポストそのものを譲ります」といった自治体が現れるかもしれない。

 頑張っている自治体を応援する趣旨で始まったのが、ふるさと納税制度だった。それがいまやまるで特典をゲットするための制度のようになっている。応援する側とされる側が、いつのまにか入れ替わってしまった感がある。