学生は、力を合わせて大きな夢を実現しようと考える仲間たちに刺激されます。授業や競争、課外活動、交流プログラムを通じて、起業家のスキルを学びます。教室の内外での教えはとても実践的で、すぐに役立つので、課題には真剣に熱意をもって取り組みます。すると、全員の前向きな気持ちが増幅されます。そうした環境で学ぶことは、学生にとっても、教師にとっても大変生産的です。

 MITの起業家“教育”の成功は、前向きなフィードバック・ループのある環境に支えられています。このような好循環を生み出すのは、主に群集心理です。起業家になる方法を学び、課題に取り組みながら、クラスメートと共同作業をする過程でみずからのテーマについて語るうちに、ちょっとした競争意識が芽生えます。そうやって互いから学び合うことを通じて、学ぶこと自体が個人やグループとしてのアイデンティティになっていきます。

3 Edward B. Roberts and Charles E. Eesley, “Entrepreneurial Impact: The Role of MIT—An Updated Report,” Foundations and Trends® in Entrepreneurship 7, nos. 1–2 (2011): 1–149. http://dx.doi.org/10.1561/0300000030.

4 “Success Stories,” MIT Technology Licensing Office, http://web.mit.edu/tlo/www/about/success_stories.html.