「オカマ」といじめられた小中学校時代
母親にもカミングアウトできず不登校に

 小学校に入ると、男子は体育の時間に活躍するものだと言われた。だから運動ができない男子は、学校の中で嫌われていく。

 おがたけさんは元々、球技が苦手。とくに、相手を殺しにかかるかのように思い切りボールを投げてくる同級生の多かったドッジボールが怖かった。

 そもそも自宅でも、野球好きな父と兄によってテレビをいつも占拠されたため、野球が嫌いだった。

 その頃、ニューハーフを見世物にするような番組が流されるようになった。すると、学校でも「オカマ」という言葉でからかわれたり、いじめられたりするようになった。

「実際に自分の振る舞いや感性としても、クラスで騒ぐような男子や、バカなことをする男子とはまったく違う。オカマと言われちゃうと、否定も何もできない。どんな身振りをしても、オカマだからそういう動きするんだ、みたいなことを言われ、身動きが取れなくなるんです」

 自宅の中でゴキブリが出たとき、おがたけさんが騒ぐと、父親から叱られた。

「そんなことで将来、結婚して、奥さんをどう守るんだ!」

 誰が結婚なんかするかと思った。

 中学2年のとき、クラスの同級生たちから「ホモ」「オカマ」と言われ、廊下に追い出された。担任だった中高年の女性教諭は「やめなさい」と言って、かばってくれた。ありがたかった。ところが、その後の一言がいまでも心に残っている。

「そんなんじゃない。ちゃんと女の子が好きな男の子なんだから。そういうこと、やめなさい」

 おがたけさんは、高校に1学期だけ通った後、不登校になり、引きこもり状態になった。