棚橋弘至・新日本プロレス選手権第11代社長 Photo by Shogo Murakami
新日本プロレスのエース棚橋弘至が、2026年1月4日の東京ドーム大会で現役選手を引退し、同社社長に専念する。暗黒期を支えV字回復に導いた立役者が、「W字」回復を目指す狙い、新たなライバルについて話を聞いた。(ダイヤモンド・ライフ編集部)
棚橋がプロレスラー引退
「社長としての勝負」が始まる
――2026年1月4日に現役選手を引退して、社長業に専念する決断をされた理由は?
引退を発表したのは24年10月の両国大会。その時に言った「プロレスをいつまでもやっていたい」という言葉に嘘偽りはありません。プロレスは比較的長く続けられる競技ですしね。
一方で、以前から「将来は新日本プロレスの社長になります」と宣言してきました。転機は23年11月、新日本プロレスの親会社であるブシロードの木谷高明社長に食事に誘われまして。「何かおいしいもの食べられるかな」くらいの感覚で向かったら、2人きりで突然、「新日本プロレスの社長になってくれないか」と言われたんです。
驚きました。木谷オーナーには「選手はあと1年で引退を」とも言われたんです。けれど、1年だと全国のファンの皆さんに感謝を伝えきれない。「何とかあと2年やらしてください」って無理言わせてもらいました。
翌12月には正式決定し、僕は現役選手のまま第11代社長に就任しました。新日本プロレスを旗揚げしたのはアントニオ猪木さんで、続いて坂口征二さん、藤波辰爾さんと、レスラー社長の歴史で始まっています。その後は専任社長でしたが、僕が社長になったことでレスラー社長は19年ぶり。“大政奉還”ですよ。
木谷オーナーからは、「形だけのお飾り社長ではなく、きちんと数字を見て、人を食わせることができる社長になってほしい」と言われています。この2年間はその準備期間で、二刀流でやってきました。26年からが社長としての本当の勝負、真価が問われます。







