アレルゲンを体に入れて慣れさせる治療だから、花粉症シーズン中に始めることはできない。症状がより重くなってしまうからだ。「遅くとも12月中には始めていただきたい」(大久保教授)。

 また、治療期間は3~5年と長期にわたる。しかし、長期の治療をやり抜けば、人によっては根治も期待できるという。現在のところ、花粉症治療で根治が望めるのは免疫療法だけ。シダトレンは医療関係者のあいだでも注目を集める新薬だ。

 ただし、2割程度は治療に反応しなかったり、多少はよくなっているものの、苦痛の度合いが強いままなど、芳しくない結果に終わる人もいるという。

 保険診療の対象だから、治療費はさほど高くない。薬剤費は自己負担3割で年1万1000円。2週間に1度の通院による診察費と、始める前に行うアレルギー検査費が別途かかる。ネックは長期にわたって毎日、舌下投与を忘れずにできるかどうかだが、「最初の1ヵ月は2~3日以上空けてほしくはないが、それを過ぎれば、多少あいだが空いても大丈夫」(大久保教授)という。ただし、1ヵ月以上も間を空けてしまった場合は、治療を改めて考え直さなければならない。

 うまくすれば根治も期待できる一方、長期にわたる治療をやり抜かねばならず、効かない可能性もある。メリットとデメリットを比べると悩ましいところだが、それでも毎年苦しい症状に耐えている人は、トライしてみる価値があるかもしれない。