周りが休んでいるときも動ける人は強い。日頃よく体調不良を口にしている人が、たまの調子が良い日に大きなビジネスチャンスをつかんだ、というエピソードはあまり聞いたことがない。ここぞという場面でがっちりチャンスを捕まえているのは、いつでもスタートをきれるコンディションを持ち得ている人ではないだろうか。

 また、そうして第一線で活躍し続けるビジネスマンは、年を重ねてもパワフルさに陰りが一切なかったりする。多忙で、不規則で、ハードな生活をしているにも関わらず、そのタフさ、免疫力はどこからくるのだろうか。

 クライアントのことを考えてみると、50代くらいまでは、「食べ過ぎない」「飲み過ぎない」人が抜きんでているが、60代半ばくらいからは、同年代と比べると「よく食べる」人の方がパワフルな印象がある。免疫力を上げる、と一口にいっても、年齢やコンディションにあわせて食べ物を選択する、ということも大事なのだろう。

 でも、両者に共通するのは、「たまの良いこと」をしているのではなくて、本当に「習慣化」されていることがある、ということだ。免疫力は昨日の今日で変わるものではない。だからこそ、特別なことをしていなくても、守るべき最低限のことをしている人が強いのだ。

免疫力アップのカギは
交感神経、副交感神経のバランスにあった!

 では、免疫力が高い、ということは何をもって知ることができるのだろうか。免疫力が高ければ風邪などひきにくそうではあるが、1年に数回は流行るオフィス内での風邪に巻き込まれなかったとしても、「運が良かった」のか「免疫力が高い」のかを判断するのは難しい。

 免疫力が高い状態、とはどんなものなのか、スライドしてみてみよう。まず、免疫細胞は、病原菌などから私たちを守ってくれるだけではない。病気や傷などを回復させ、疲労を回復させ、ストレスに強い体をつくってくれるのも免疫力だ。つまり、私たちがもっている自然治癒力ともいえるだろう。同時に、新陳代謝を活性化させ、体の老化や肌荒れなどにブレーキをかけてくれたりもするアンチエイジング的な要素もある。