旅行やレジャー、グルメ、そして消費の各シーンにおいて、日本国内のマーケットはすっかりシニアの動向に左右されるようになった。街には元気で活動的なシニアが大勢繰り出し、各々が自身の時間を謳歌しているようにも見える。
このように、時間も活力も経済力も備えたシニア層が増えたことで、彼らの旺盛な消費意欲を見込んだ製品の開発も花盛りだ。その一例として、国内の大手家電メーカーが次々に投入している、シニア仕様の新製品のケースが挙げられる。
東芝ライフスタイルは、指で軽く押すだけで、扉がワンタッチで開く冷蔵庫「ベジータ」(税別価格:14万円前後)を発売。腕の力が衰えつつあるシニアたちの支持を集めた。また、シャープが今年春に発売した茶の抽出機「ヘルシオお茶プレッソ」(2万円前後)は、本格的な緑茶が楽しめると好評を得て、増産体制が続いている。
さらに大ヒットにつながったのが、日立アプライアンスのIH炊飯器「打込鉄釜 おひつ御膳」(6万円前後)だ。
ポイントは、2合以下の少量が美味しく炊けること。蓄熱性のある内釜「重厚打込鉄釜」を、断熱材などで囲う構造にすることで高温を保ち、しっかり蒸らして炊き上げることがその秘密である。
内ふたや蒸気口が丸洗いできるなど、使いやすさにも工夫を凝らしている。