日本の企業は自信を失い、新しい研究開発に乗り出したり、優秀な人材を雇ったり、ライバル会社を買収するといった投資を避けてきた結果、世界的に評価される企業が非常に少なくなってしまいました。

 世界的に注目されている、「MITスマーテストカンパニー50社(2014年)」が先日発表されましたが、韓国のサムスンやLG電子、中国のバイドゥなどが選ばれているのに、日本の企業は1社も入っていません。日本ではあまりニュースに取り上げられていませんが、これはよろしくない状況です。

日本と米国、
経営トップに立つ人の違い

 日本が保守的な最大の理由は、失敗を許さない文化にあると思います。

 ビジネスの現場でPDCAサイクルを使っているのは唯一、日本だけです。日本に非常にマッチしていると思いますが、問題は日本の場合、P(プラン)からD(実行)になかなか行けないことです。このサイクルを有効に使うためには、Dに行くことが不可欠。Dに行きさえすれば、C(評価)、A(改善)で修正が効くからです。

 先日の講演会でも参加者の方から「大企業では失敗は許されない。チャレンジするにはどうすればいい?」という質問がありましたが、私は次のように答えました。

「あなたたちは失敗したくないと言っているが、マクロでは失敗しているではないか。原因もはっきりわからない失敗を繰り返しているほうが、タイムロスも含めてもっと悪いことだろう」と。

 米国企業のトップ、リーダーたちの顔ぶれを見てください。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、誰もが失敗を乗り越えた人ばかりです。彼らに共通するのは、自分の強みも弱みも分かった上できちんとリスクをとることができるという点です。

 一方、日本の経営トップに立つのは、人事の判断で最も失敗の少なかった人です。失敗も経験したことがない、リスクをとったこともない、自分の限界も分からないということになると、トップに立った時点でもっとコンサバティブになるのは当然でしょう。

 米国で今流行っている言葉に「フェイルファースト(早く失敗しよう)」があります。早く失敗することで、チャレンジをもっと増やして経験やノウハウを積んでいこうというわけです。

「七転八起」ということわざは英語にも翻訳されていますが、この意味は言うまでもなく「多くの失敗にもめげず、そのたびに奮起して立ち直ること」。いわば、フェイルファーストの基になっていることわざといえるでしょう。日本も「七転八起」の精神で積極的にチャレンジすべきです。