創続総合研究所
節税20年の計
【第2回】 2015年1月22日
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北山雅一 [キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長]

日本の相続税はやっぱり高い!
【働き盛り世代の余裕資金を作る法】

 生前贈与の効果を、簡単なケースで説明してみましょう。


 推定課税価格3億円の方が、子と孫の計5人に15年間にわたって毎年200万円ずつ贈与した場合、相続税と贈与税の合計は約1340万円となり、対策前よりも1200万円圧縮することができます。

 また、推定相続税課税価格2億円の方が同様の贈与を行った場合、相続税と贈与税の合計は約400万円となり、対策前よりも約817万円圧縮することができます。

 このケースではどちらも相続税額はゼロにはなりませんが、相続人は贈与によって手元資金が増えるので、いざ相続が発生しても納税に困ることはありません。

連年贈与の落とし穴

 ただし、こうした定期的な贈与には、いくつか注意しなければならない点があります。毎年同じ額の贈与を繰り返すと、一度にその合計額を贈与したものとみなされて課税されてしまう可能性がゼロではないからです。これを連年贈与と呼びます。

 例えば、先の3億円のケースの場合、200万円の15年分である3000万円を一度に贈与したとみなされれば、約1035万円もの贈与税が課されてしまうことになります。

 税務署に連年贈与と認定されないためには、贈与契約書を毎年作成すること、受贈者が贈与の事実を認識していること、受贈者が贈与された財産(預金通帳や印鑑など)を管理して自由に使えるようになっていることが必須です。

 そしてもう一つ大切なのが、贈与税の申告を毎年することです。そのためには、基礎控除額を超える贈与をして、納税しておくことです。実は上の2億円のケースでは、毎年の贈与額を110万円にした方がトータルの節税効果は高くなるのですが、贈与税を納めるためにあえて120万円ずつの贈与としてあります。

財産シートで資産と見えざる負債を
「見える化」する

 ごく簡単な方法で相続税の心配から解放されることがわかっていただけたと思いますが、短期間でできるものではありません。そもそも、遺産総額がいくらになるかわからなければ、贈与するにも手のつけようがありません。課税価格はともかく、まずは現状の資産の内訳とおおまかな額を把握することから始めてください。

資産分析 記入シート

 金融商品、生命保険、不動産、自社株などの、いま保有している資産を棚卸しして、その全容を「見える化」するのです。私の会社ではそのために財産シートを用意して、初めてのお客さまに書いてもらっています。

 棚卸しするほどの資産などないと言っていた方がいざ書き込んでみると、買ったまま放っておいた投資型商品の存在を思い出したり、持ち株が値上がりしていたり、親から相続した不動産があったりで、意外に資産総額が膨らんでいることが少なくありません。

 思い出せない資産や、夫婦で別々に管理している預貯金などもあって、漏れなく書き入れるのは難しいかもしれませんが、それでいいのです。財産シートの作成を一つのきっかけとして、夫婦や家族で普段はなかなかできないお金の話をする時間をもつことに大きな意味があると思います。

 資産を「見える化」すれば、見えざる負債である未来の相続税が洗い出され、その結果、問題解決のための知恵を導き出すことができます。

 問題先送りは自分と家族を将来苦しめるだけです。2015年を相続対策元年にしてみませんか。

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北山雅一[キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長]

キャピタル・アセット・プランニング代表取締役社長、公認会計士。1957年生まれ。79年慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士として大手監査法人に勤務。90年キャピタル・アセット・プランニング設立。同社は生保・金融機関向けの営業支援システム、資産管理プラットフォームで独自のポジションを築いている。 ホームページ http://www.coole.jp/index.html

 

 


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働き盛りの現役世代にとって、相続税は他人事――そんなことでは「納税しなくて済んだはず」の相続税を支払い、国を喜ばせてしまいます。資産を守るには、確かな情報と知識が欠かせません。
独自のノウハウと戦略で「顧客の資産を守る」キャピタル・アセット・プランニングの北山雅一社長が、20年計画で取り組む「ファミリーが幸せになるためのタックスプランニング」を伝授します。

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