(1)自分の部下に“リーダー”になることを期待し、部下一人一人のリーダーシップを評価する
 リーダーシップはポジションではなく、中長期にわたって仕事の成果を出し続けるために必要な能力である。それは一朝一夕につくられるものではなく、日々の実践の積み重ねの結果という前提がある。部下を持つリーダー全員が、自分の部下に自分がやりたいことは何か(志)、どんなインパクトを与えたいか(目標)、どう仕掛けるのか(戦略)を徹底的に考え、“リーダー”として自律的に行動することを求める。部下が“リーダー”として自発的に動いた成果を積極的に評価し、今までより大きな仕事や組織を率いる機会に挑戦できるように率先して働きかける。

(2)部下を持つリーダーは人材育成に3割の時間を使う、リーダーを育てるリーダーを評価する
 リーダーを育てるのは人事ではなく、部下を持つすべてのリーダーの仕事である。1日8時間のうち、部下とのコーチングを兼ねた定例個人面談(毎週~毎月)を2回、面接1回、社内研修にスピーカーとして参加で「3割」を超える。ほかにも人材棚卸会議、人事と一緒に部下の育成プラン作成・進捗確認、メンタリング、自分・部下の360度フィードバックを実施、自ら講師となり経験や信念を共有、他社や他部署・他国事例を共有、表彰の場を設定、社内外ネットワーキング機会を設定あるいは参加、採用活動現場に出向くなどさまざまな活動がありうる。GEではバリューと業績の両方で評価され、バリューには育成を積極的に行う要素も含まれる。

 P&Gも育成への貢献度を、業務への貢献度と同じウェイトで評価される。結果、両社ともリーダーが本気で次のリーダーを育てており、人を育てるのが得意なリーダーが評価され、さらに上のポジションに昇進するという好循環が生まれている。

(3)部下をもつリーダー全員が、今すぐ後継候補を指名し、数年以内に任せる体制をつくる
 「リーダーの真価は、本人が去った後に試される」。この言葉はP&Gの前CEOマクドナルド氏の信条の一つ。リーダーの究極の目標は自分がいなくても事業が継続し、成長し続ける体制をつくること。部下を持つリーダー全員が、数年後には自分のポジションを次の後継者がリードしている想定で、そのために必要な経験、人間関係構築を先手で仕込む。後継者が自分の組織内に見当たらないときはまずは人材確保に注力する。GEでセッションCと呼ばれる人材棚卸会議で、後継者が確実に育っているかどうか確認し、後継者を育てることができていないリーダーは自身のバリューに厳しい評価がつく。