(4)優秀な部下に“越境経験”をさせる
 将来有望な部下ほどストレッチし、早回しでさまざまな修羅場を経験するのがリーダー育成の近道だ。中でも“越境経験”が短期間で飛躍的に視野を広げ、新しいことを学ぶ謙虚さ、挑戦心、周囲の信頼を獲得する力、自信を高める。部下を持つリーダー誰もが、優秀な社員であっても、他組織で本人が成長できる機会があればその異動を自ら進んでサポートする。業務上すぐに難しい場合には1年後といった期限を区切る。自分の右腕といえる優秀な社員の仕事を引継げる左腕の存在を常に育てる必要がある。

(5)わくわくする・共感できる多様なキャリアストーリーを“見える化”する
 部下を持つリーダー全員が率先して、多様なキャリアストーリーを自分のチーム・部署内で積極的に共有する。経歴や成功談だけでなく、志や信念、失敗談や苦労話、回り道という個々の生々しいストーリーもあえて含めることで、共感度が高まり、多様なキャリアの可能性が見えてくる。

 多様なキャリアストーリーには、次のようなものがある。

  • 経営者につながるキャリア:ブランドマネジャー、プロダクトマネジャー、事業部リーダーなど
  • 専門性を持ったキャリア:営業、マーケティング、開発、製造、生産管理、財務、IT、法務、広報、人事など 
  • グローバルアサインメント例、部署や事業部の異動例、育休などの休職取得例、若くして抜擢された例、女性リーダーの例など

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 今年の「ベストリーダーシップ企業調査」でグローバルトップ20社に入ったのは参加日本企業56社中1社であった。日本企業の部下を持つリーダー全員が上記5つのアクションをとることで、日本から1社でも多くのグローバルトップクラスの「リーダー育成力」を持つ企業・組織が増えることを願っている。