日本料理の注目は、すしからラーメンへ

 今、フランスの日本料理は、日本人の手から離れ、独自の道を歩み始めている。それらを見ると、こんなのは日本料理じゃないと思う日本人は多いだろう。しかし、日本でも日本人経営の中華料理屋が、日本風チャーハンやラーメンを作り出してきたように、フランスでも日本料理は日本人の手を離れて進化を始めた。それが世界に料理が広がるということだ。

 一方で、日本料理のフランス化に反発するように、正統な料理で勝負をかけようとする動きも強まっている。高級日本料理では、早くには「あい田」が日本料理で初めてミシュラン1つ星を2008年に取ったが、最近では銀座に本店を持つ「奥田」が13年と14年の2年連続でパリに店を出した。同じく銀座にある「おのでら」は14年に出店した。

 すし以外にも、大阪からは串カツ「凡」が、ラーメンは千葉に本店を持つ「なりたけ」、そして「博多 一風堂」を営む力の源ホールディングス傘下に入った「札幌ラーメン どさん子」も出店した。その他にも、とんかつ、そば、お好み焼きなど、日系はオールラウンダーではなく、日本国内と同じようにジャンルの細分化が進んでいる。 

日本料理の未来を示唆するパリの和食事情パリでは老舗の「あい田」と2013年に進出してきた「OKUDA」

 中でも、すしに代わる日本料理として、フランス始め英国、ドイツなどで注目度が増しているのがラーメンだ。ロンドンはすでにラーメン屋が林立するようになったし、パリでは14年に一風堂が中心になって「パリ・ラーメンウィーク」が開催され、多くの人を集めた。 

日本料理の未来を示唆するパリの和食事情ソラノイロ、IKEMEN HOLLYWOOD、ラーメンラボ、ちばき屋、博多一風堂、とら食堂の6店が参加した「パリ・ラーメンウィーク」。会場となったはオペラ地区のレストランにはフランス人の列が

 定番だったすしが飽和状態の今、フランスに入ってきた新たな本場の味をどう扱うか。非日系レストランは、手をこまねいているだけではない。そこには次の展開を狙う彼らの思惑が見え隠れしていた。

(次回は2月下旬掲載予定です)