並み居る首都圏の大病院を抑え
静岡がんセンターが2位

 並み居る首都圏の大病院を抑え、2位にランクインしたのは「静岡県立静岡がんセンター」。同センターの構想段階から参画し、「早期がんからみとりまで、患者に寄り添う理想の病院づくり」を追求してきた山口建総長は、「病院には研究志向型と患者志向型がありますが、われわれは最高の患者志向型病院を目指してきました」と語る。

静岡がんセンターの山口総長

 理想の実現へ向けて、同センターでは「がんを上手に治す」「患者と家族の徹底支援」「成長と進化を継続する」という3本の柱を掲げ、まい進している。「上手に治す」とは、治せるがんについては軽い負担、短い時間で治し、治せないがんは、悔いが残らないような治療をすることを示す。

「そのために、国立がん研究センターなど日本中からベストな医師を呼び集め、最高の設備で治療しています」と胸を張るだけに、陽子線治療装置、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」など、医療機器も最新鋭のものがそろっている。また、遺伝子解析などを生かして個々の患者に適した理想の医療を実現する世界初の試み「プロジェクトHOPE(希望)」にも、全センターを挙げて取り組んでいる。

「ベストな医師」の中でも、最も旬なのは消化器科の布陣だ。肝胆膵外科の上坂克彦医師、大腸がんのダ・ヴィンチ手術症例数日本一の絹笠祐介医師、内視鏡治療のためのITナイフ開発の第一人者、小野裕之医師といった顔触れは「世界一」だといわれる。
 例えば上坂医師は、最も治療が難しいがんの一つとされる膵臓がんについて、術後に経口抗がん剤「S―1(エスワン)」を投与する補助療法により、従来は10%といわれていた5年生存率を数倍に高めることに成功しつつあり、「年内には、世界を驚かせる成果を発表できるでしょう」とほほ笑む。

 名峰富士を望む静岡県の病院が、世界のがん医療を大きく進化させようとしている。