専門科目には、いきなり過去問解説を
理解できない科目がある

 次に専門試験の内容ですが、「専門」というだけあって、その内容はとても多岐にわたります。ただ、多くの職種で出題されるのは、行政系科目では政治学・行政学・国際関係、法律系科目では憲法・行政法・民法、経済系科目では経済原論・経済事情・財政学です。

 ちなみに、行政系科目は大学の政治学部で、法律系科目は法学部で、経済系科目は経済学部で、それぞれ学習する内容です。授業にちゃんと出ていればですが(笑)専門試験の内容をまとめると、下の図のようになります。

公務員試験の基礎知識(1)<br />一次試験っていったい何やるの?

 では、専門試験はどうやって勉強すればいいのでしょうか? 一言で答えを言います。
過去問を解けばいいんです! 専門試験の出題範囲で重要なところは過去問でくり返し問われています。だから過去問をくり返し解けば、必然的に出題範囲をマスターできるのです。

 でもいきなり過去問なんて解けるんですか? これはごもっともな意見です。しかし、解けなくていいんです! 解けなければすぐ解説を読んでしまえばいいんです!

 私は過去問集は読み物だと思っています。まずは一度、過去問集を問題→解説と通して読んでみてください。読み終わった頃にはその科目の力が驚くほどついていますよ。

 大学受験では、まず教科書を読んで、それから授業を受けて、復習として過去問を自力で解いて、解き終わったら解説を読む、そんな勉強をしていた人が多かったと思います。

 しかし、公務員試験は科目数が膨大です。公務員試験でそんな勉強をしたら間違いなく時間が足りません! いきなり過去問集を読めばいいんです。そうしないと間に合いません。

 そうか、では過去問集を全科目買って来よう! そう思った人もいることでしょう。買うこと自体はOKです、いずれ必要になりますから。

 ただ、この勉強法には一つだけ大きな落とし穴があります。それは、専門試験の科目には、いきなり過去問集の解説を読んでも到底理解できない難関科目が潜んでいるという点です。

 その難関科目って何だろう? 皆さん気になりますよね。その難関科目とは……法律系科目の憲法・行政法・民法、経済系科目の経済原論・経済事情のことです。

 先ほど過去問集は読み物と言いましたが、法律用語や経済用語は意味の分からないものが多く、そもそも過去問集の解説を読むことすらできないおそれがあります。英単語が分からないと英文が読めないのと一緒ですね。

 ここで登場するのが、先ほども少し話に出た「みんな合格!公務員 いちばんわかりやすいシリーズ」です!このシリーズは、いきなり過去問集の解説を読んでも到底理解できない難関科目にターゲットを絞り、過去問集の解説を一人で読みこなせるレベル=合格レベルに引き上げることを目的とした本です。

 いきなり過去問から入り、その難しさに公務員をあきらめかけていた皆さん、あきらめる前に是非このシリーズをおすすめします。

 今までの連載でお分かりの通り、公務員は「おいしい」仕事です。あきらめてしまってはもったいない。これから公務員試験の勉強を始めようと思っている人も、難関科目については、是非このシリーズから始めてみてください。

 あるいは、試しに難関科目も過去問から入ってみて、解説を読んでも意味が分からなかったらこのシリーズに戻って来るという作戦でも良いと思います。とにかく、試験の難しさを理由に自分のやりたい仕事をあきらめないでください!

 私も弁護士になるまで10年かかりましたが、あきらめないで良かったとつくづく思っています!

 今回は一次試験についてお話しましたので、次回は二次試験についてお話します。
 それではみなさん、次回も是非ご覧ください。