「GEマリン」はGEが世界各地で約1世紀にわたり展開してきた海運事業を1つに統合する組織。船舶に関する最新技術とサービスをワンストップで提供する。その基盤として、同社が推進する「インダストリアル・インターネット」を活用しようとしている。まさしく重厚長大版「モノのインターネット」の世界だ。写真はGEの電力推進システムを採用したLNG船。写真提供:フランスガス公社

重厚なイメージだったGEが
おしゃれに見えてきた

 最近は、GE(ゼネラル・エレクトリック)が大変おしゃれな企業に見えてきた。

 GEと言えば、重工業の雄。航空機エンジン、ガスタービン、船舶、タンカー、列車、油田掘削設備といったような、いわば前時代的な製品を製造する会社だ。開発や製造に時間がかかり、鉄が中央に陣取っているような地味なビジネスである。

 ところが、IoT(モノのインターネット)時代の到来がそれを変えようとしている。最も動きにくい重いモノをインターネットにつなぐ。その大きな可能性が実感されるようになって、GEは今や時代の先端に位置する企業になったのだ。

 インターネットをモノの世界でつなげることの利点は、電気消費量がわかるサーモスタットやスマートフォンでドアがあくデジタル錠などを細々と盛り込んだ消費者のスマートホーム化で注目を集めている。だが、GEが関わっているような産業のモノの世界にインターネットがつながったらどうなるのか。

 インダストリー・インターネットは、スマートホームとはケタ違いの経済的インパクトを社会に及ぼす可能性もあるのだ。

 すでに、GEではそうしたインダストリアル・インターネットを展開している。