第2の産業革命とも言われるIoT(モノのインターネット)は、あらゆる業界に新たな経済価値をもたらすと言われている。米国大手IT企業・シスコシステムズは単に“モノ”がつながるだけではなく、日常生活に関わる“すべて”がつながるという意味で、「IoE」(Internet of Everything)と呼ぶ。同社でインダストリアルソリューショングループを担当し、同時にIoEの取り組みを統率するウィム・エルフリンク氏はIoEによって、なんと「今後10年間で19兆ドルの経済価値が生まれる」と語る。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
ゴミ収集を効率化した
バルセロナの事例
――IoTによって、あらゆる産業に大きな変化が起こると言われています。どのような変化なのでしょうか。
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)はテクノロジーで、私たちはIoE(Internet of Everything)と言っています。これから起こる変化について、もっとも良い事例はやはりスマートシティでしょう。
これは実際にもう始まっている事業ですが、スペインのバルセロナでは、ゴミ処理にIoEが活かされています。ゴミの回収は一定のエリアにあるゴミ回収ボックスを収集車が決まったコースで回収していました。バルセロナでは、ゴミ回収ボックスにセンサーを付けて、どこのボックスがいっぱいになっているかを把握し、収集車が効率的に回収できるようにしています。コスト削減に成功し、効率が上がりました。
――バルセロナの事例は、シスコが深く関わっているIoEの事例なのでしょうか。
ええ、バルセロナのシスコIoEイノベーションセンターが主導した事例です。同様のセンターが11月に東京でもオープンしました。ここはオープンに、パブリックセクターやさまざまな業界の企業同士がコラボレーションを生みだすための場所です。
東京は2020年にオリンピックがあり、ここから新たなサービスや仕組みが生まれることを期待しています。