教養レベルの高い動詞を使いこなせれば、飛躍的に語彙力が上がる! 連載第4回は、前回に引き続き要求を伝える表現です。懇意にしている取引先から無茶な提案があった場合、あなたならどのように断りますか? 相手の気分を害さずスマートに提案を断る表現などをご紹介します。

※過去の記事に、本連載の趣旨の説明が不足しておりました。連載の目的は「1つの動詞を詳しく学ぶ」ことにあるため、自然な英文をご紹介するよりも、動詞の用法をより多く掲載することに重きを置いております。ご了承いただけますと幸いです。

断りづらい提案を受けた時に
便利な動詞refuse

 動詞refuseは簡単に言えばNo. の意味。相手の提案やアイデアを「キッパリ拒む」が本来のニュアンスです。よく使われる動詞ですが、実際に相手に対して口にする場合は、角が立たないようにI am sorry to say,(申し上げにくいのですが)と前置きしてから、I have to refuse your proposal.(あなたのご提案をお断りせざるをえないんです)と言うとスマートな印象になります。この形は断りづらい時の定番です。キッパリと意志を伝えつつ、相手の気分を害さないコツなので覚えておきましょう。ちなみに「拒む」の類語としてdeclineやrejectがありますが、「キッパリ度」の弱い順に並べるとdecline<refuse<rejectの順になります。declineはI don’t think so.(そうは思わないですね)とやんわり拒絶する感じ、逆にrejectは再検討の余地はゼロと断固として相手に通告する感じです。

練習問題
次の日本語を、refuseを使った英語にしてみましょう。
1. 申し上げにくいのですが、願書は受理されませんでした。
2. どうか怒らずに聞いていただきたいのですが、あなたのご要望を聞き入れることはできません。

模範解答
1. 「申し上げにくいのですが」はI am sorry to sayという慣用表現を使います。全体としてI am sorry to say this, but your application was refused. となります。
2. 「どうか怒らずに聞いていただきたいのですが」は英語にしにくいかもしれませんが、I do not want to upset you. が使えます。くだけた会話ならPlease don’t be upset. あるいはPlease don’t be mad at me. などでもよいでしょう。このようなクッション言葉と一緒に覚えておくと便利です。正解はI do not want to upset you, but I have to refuse your request.

動詞refuse 覚えておきたい構文パターン
1. I am sorry if I let you down, but I have to refuse your offer.
(ご期待を裏切るようですが、あなたからの申し出はお断りせざるをえません)
2. Hispanic people are likely to refuse a job if they disagree with company’s environmental policy.
(ヒスパニック系の人々は企業の環境施策に賛同できない場合、仕事を拒否する傾向がある)
3. The request is understood, but has been refused by the authorities.
(ご要望は理解していますが、当局の指導によりお断りさせていただいております)
4. Your visa application could be refused for a number of reasons.
(ビザの申請は、多くの理由により却下される場合があります)