英語圏のビジネスパーソンは、最初の3分間で相手の教養レベルを見極めると言います。阿部一英語総合研究所所長の阿部氏いわく「『この人と一緒に仕事をしたい』と思わせる英語表現を身につけたいなら、教養レベルの高い動詞を使いこなせるのが近道」。
実は今まで苦労して覚えてきた「受験英語」を覚えなおせば、「教養レベルの高い動詞」が身につくのです。
今回は、阿部氏の著書『ちゃんと伝わる英語が身につく 101動詞』から、日本人が普段何気なく使ってしまうのに「あ、コイツ仕事できないな」と思われてしまいかねない英語表現を紹介します。例えば「○○のようだ」と言いたいときに、seemかappearどちらの動詞を使うかで、相手の教養レベルが知れてしまうのです。反面教師にして、ビジネスに適した表現を覚えておきましょう。(初出:2015年2月20日)

「あ、コイツ英語できないな」と思われてしまう英語表現その1【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

超頻出!「○○のようだ」と言いたいとき、
seemとappearのどちらを使う?

「彼は病気みたいだ」と言いたい時、1. He seems to be ill. 2. He appears to be ill. の2通りの表現があります。1はとても砕けたカジュアルな表現で、2はフォーマルな場面でも使えるきちんとした表現。同じようにビジネスシーンで「御社の製品は最近とても人気のようですね」と言いたい場合、Your products seem to be very popular recently. だと「コイツ、英語ができないな」「素人だな」と思われてしまいます。ここはappearを使ってYour products appear to be very popular recently. と言うのが正解。動詞が1つ違うだけで印象がガラリと変わります。「○○のようだ」と言いたい時にseemとappearのどちらを使うかは、ある意味その人の英語力を見定める1つの試金石になっているわけです。

補足ポイント
 同様に「○○に見える」の意味で使われるlookもフォーマルな場面で使うと、時としてとても子どもっぽい印象になってしまうので注意が必要です。

練習問題
次の日本語を、appearを使った英語にしてみましょう。
1. 新しいポジションについて彼はやる気満々(pumped up)みたいですね。
2. 御社はここ数年、海外市場(overseas markets)でとても優勢みたいですね。

模範解答
1. 正解はHe appears to be pumped up for the new position.
2. 「優勢な」はstrongと表現して、You company appears to have been very strong in overseas markets over the past few years. が正解です。

動詞appear 覚えておきたい構文パターン
1. The president appeared exhausted after attending the shareholders’ meeting.
(株主総会に出席したあと、社長は疲れきっているように見えた)
2. During the event, she appeared calm and collected.
(イベントの間、彼女は静かに落ち着いているように見えた)
3. It appears this company does not promote women to its highest positions.
(この会社は一番高いポジションに女性を昇進させることはないようだ)
4. The sun appeared over the eastern horizon.
(太陽が東の水平線からあらわれた)