スター商事のこの動きが、ペットボトルから水筒へのシフトを加速させ、給水ポイントの問題をすぐに解決できるとは思えません。しかし、SIGGボトルを持つことを通じ、水に対する関心が喚起されたり、さらにそこから水源へと関心が広がっていったりというように、思考停止に陥らず、確実に次のステップへ問題意識が繋がっていくことの意味は大きいのではないでしょうか?

 環境問題には唯一の処方箋はありません。言ってみれば、“答えがないもの”だと思います。これまで、この連載で紹介してきた環境ビジネスも、その取り組みが、環境問題の一部を改善したり、解決に向けた一助になることはあるでしょうが、すべての問題を一手に解決することはないでしょう。また、今回のケースのように、取り扱う商品が、環境に関する関心を喚起するプラットフォームとして機能することも、環境ビジネスとしての立派な効用です。

 私は、大学のゼミで学生に対して、「環境問題は答えがないものだけど、未来に向けて皆がそれぞれ考えていかなければならないことだ」と説明しています。答えがないものに向かっていくということは、一見矛盾したことのように思えるかも知れません。

 でも、人生にだって、答えはないものです。この連載で紹介してきた環境ビジネスに取り組む人々は、皆人生を楽しんでいるようにも思えます。多分それは、答えがないものに果敢に向かっていくことの面白さを知っているからなのではないでしょうか。メガバンクを辞めた私も、そうした一人だけに、その面白さはとてもよくわかります。

(*1)SIGG日本語公式サイト
(*2)株式会社スター商事
(*3)SIGGボトルデザインコンペティション
(*4)we+

 次回は、これまでご紹介してきた環境ビジネスの「その後」と、現状の問題点や対応策などを考えてみたいと思います。

環境フロンティア2009