小島慶子は鬼軍曹?

小島 私、子どもを育てるときに、ついつい鬼軍曹みたいになっちゃうんです。
「いいかい、キミのAという目標をクリアするためには、最初にBという課題、次にCという課題をやらなくてはならない。Aを諦めるか、めんどくさいけどBをやるかだ。どうするか選びたまえ!」
 と、理詰めで説いていたんです。まわりからは「そんな理屈っぽい母親イヤだ」と言われていたんですが(笑)、奥田さんの本を読んで間違っていなかったとわかりました。

奥田健次(おくだ・けんじ)
臨床心理士/専門行動療法士/行動コーチングアカデミー代表。常識にとらわれない独自の指導プログラムにより、さまざまな子どもの問題行動を改善させる行動分析学者。数万件以上の難問題を解決してきた手腕から「子育てブラック・ジャック」と呼ばれ、日本各地のみならず世界各国から指導依頼を受ける国際的セラピスト。『NNNドキュメント』『スッキリ!!』では、「今、最も注目されている教育者」として紹介。『あさイチ』他にも出演。著書に、『世界に1つだけの子育ての教科書』『拝啓、アスペルガー先生【マンガ版】』『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』『メリットの法則』など。

奥田 それは、鬼軍曹というより「よきコーチ」ですよ。子どもが何かを達成するために技術で支援する。親子の関係からコーチと選手の関係に切り替えることができていますね。小島さんの次男は、ブロッコリーを食べられないこともあったでしょう?

小島 ありました。

奥田 その場合は、デザートは?

小島 なしです。

奥田 それが正解ですよね! 子どもに明確な目標を与え、クリアできなかったら何かを失うという体験させる。ときどき子どもが泣いたからといって、「次はがんばってね」とデザートをあげてしまう親がいますが、それでは効果がないどころか親の言葉が軽々しいものになってしまうため、害悪のある関係になりますからね。

小島『世界に1つだけの子育ての教科書』の中に「ミニタッパー並べ式」というのがありました。小型のタッパーに1品目ずつ入れて、1のタッパーには苦手なきゅうりをちょっと、2のタッパーにはご飯、3のタッパーには好物のエビフライという順番に並べておいて、1のタッパーを完食したら2のタッパーが開かれるというやつ。
 あの技術を10年前から知っていたら、私の子育てはどんなに楽だったかと思います。