先週の総括
先週の日経平均株価は、株価対策などの期待を背景に、節目である7500円まで戻ることはあったものの、引け値では維持できず、戻り売りに押される展開となった。週初は米国株安を理由に7000円割れを試す局面もあった。
シティグループやAIGなどの業績悪化から金融不安が連想され、米国株式はジリ安となっていった。日本は日経平均株価が7000円に接近すると政府から株価対策が言及され、売り込みにくい状況となった。
また、公的資金の買い支えも噂され、5日には買戻しが先行し、上海株式が急伸したことも支援材料となり、ザラバでは7500円台を回復した。しかし、戻り売りも多く、引け値では維持できなかった。週末は再び金融株中心に米国株式が売られ、結局日経平均株価は先週末比5.2%安い7173円で引けた。
規模別には大型株の下落が大きかった。マザーズ指数は前週末比4.5%の下落。業種別には、空運、建設、ゴム製品のみ上昇した。一方で保険、銀行、海運などが下落した。
今週の予報
放送メディア業界:足元の広告収入が厳しく、コスト削減による縮小均衡なら「曇」→「曇」
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今週の日経平均株価は、引き続き揉み合いから下値を試す展開を予想する。最近経済統計は底打ちを示す数字も散見されるようになったが、依然として米国の金融不安が株価の重石となっている。
日経平均株価の7000円台前半は、公的資金の買い観測など抵抗ラインとして機能しているが、いったん割り込むと売りが売りを呼ぶ展開となりやすいので、要注意である。
民放テレビ局を代表とする放送メディア株は、長期下落傾向に歯止めがかかっていない。(9401)TBSは、2007年3月高値である5300円から、今年2月には1145円まで80%近い急落となっている。
各社ともに、広告収入の落ち込みを番組制作費の削減で補う方針だ。だがこれは、番組コンテンツの質の低下にもつながる話であり、短期的には業績回復要因とは言うものの、中期の業績には不透明感が強い。
経済産業省が発表しているテレビ広告の売上げを分析すると、1990年以降のテレビ広告のピークは2000年の1兆7500億円であり、それが年々減少している。2008年には、1兆2000億円を割り込みそうであり、8年間で30%以上も減少したことになる。