駅前に巨大恐竜も登場
富山と福井の「金沢に負けるな!」

 温泉力でも金沢がリードする。日本一の温泉旅館と名高い加賀屋もある和倉温泉(能登半島)や山代温泉などの一大温泉地が近い。富山にも黒部宇奈月温泉があるし、福井には芦原温泉といった有名温泉地はあるが、和倉温泉のブランドパワーには及ばない。一方、海の幸に関しては、3県で獲れるものに大きな差はない。“北陸AKB”(甘エビ・カニ・ブリ)は、3県どこでも楽しめるのだ。

 そんななか、富山がアピールするのは、立山黒部アルペンルート。大自然のパノラマは「雲上の楽園」と名高い。合掌造りの集落で世界遺産となった五箇山も人気の観光地だ。しかし、観光地が集積しているとは言い難く「金沢にお客を取られるのでは」との焦燥感がある。

 また、海沿いで春から初夏にかけて見られる蜃気楼もPRされている。蜃気楼が出るとサイレンが鳴るのだが、「サイレンが鳴ってすぐに、自転車で海へ走るけれど、見たためしがない」(地元住人)との声もある。観光客が見られる確率はあまり高くなさそうだ。

 新幹線が通らない福井は、福井駅に恐竜の動く巨大レプリカを3体展示するという作戦に出た。福井県は、恐竜の化石が数多く発掘され、勝山市には恐竜博物館もある土地柄なのだ。スティーブ・ジョブズも若かりし頃に憧れた曹洞宗の大本山・永平寺もあるのだが、新幹線が直接通らないこともあって、分が悪いことは否めない。

 もっとも、新幹線開業に合わせて、バス路線が増えている。「バスに乗れば、金沢近郊だけでなく、富山や福井でも十分遊べる」ことが、もっと認知される必要があるようだ。また、レンタカー会社も力を入れている。JR西日本レンタカー&リースは2月から、クルマのフロント部分を北陸新幹線そっくりにペイントした車両のレンタルを開始した。金沢と富山の営業所に1台ずつしか置かれていないから競争率は高そうだが、北陸新幹線カラーのクルマで観光地を回れば、子どもが大喜びするのは間違いない。