「Mobile Me」は、iPhoneと同時にリリースされたアップルコンピュータの新サービスだ。今回は、Mobile Meによって何が便利になり、我々の扱う情報がどのように変わっていくのか、またアップルの戦略は何かについて、考えてみたい。

Windows VistaでMobile Meを設定している画面。iPhoneやMacとデータを同期させることができる。

 すでに、多くの企業でサーバーが導入されて、便利に運用されている。たとえば、住所録がサーバーにあれば、そこにアクセスしたクライアントマシンで、いつでもどこでも最新のアドレスが取り出せる。この環境がとても便利なのは言うまでもないことだが、これまでは主に企業でのみ利用されてきた。サーバは、あくまでも企業で情報を共有するためのシステムだったのだ。

サーバー需要は企業だけでなく
個人ユーザーにも急拡大

 その理由は明確で、個人ではサーバーを使う需要があまりなかったためだ。しかしここへ来て、環境は大きく変化している。個人でも複数のパソコンを使ったり、携帯電話の機能がパソコン並みに進化してきた。すると、ごく当たり前の「不便さ」に誰もが気づくようになる。

 ――なぜ、携帯のスケジュールはパソコンと同じにできないのか?

 ――どうして、パソコンに保存した写真は携帯電話で表示できないのか?

 そういったことがニーズとして出てくる。つまりこの不便さは、データをそれぞれの端末(ローカル)に保存している不便さだ。

 たとえば、、スマートフォンのスケジュールは、これまでパソコンに接続して同期するスタイルだった。ところが、スケジュールのデータがサーバーにあれば、いちいち端末同士を接続してデータをやり取りする必要はない。すでに、パソコンとスマートフォンどちらもインターネットにつながる環境を持っているのが当たり前。個人でもサーバーを使う環境は整っているのだ。

 実は、マイクロソフトの「Exchange」を個人でも使えるレンタルサーバーのサービスが、すでにいくつもリリースされている。だが、いまいち普及しないのは、管理者のいる企業向けのサービスであるExchangeを個人で使うのは、設定や運用が大変という理由によるだろう。僕もチャレンジしたことがあるが、かなり面倒な設定が必要で、「ならば、ケーブルでつなげばいいか」とさえ思ってしまった。