日本HPから発売されている「HP Mini 5101は、10.1液晶を搭載する高解像度のネットブックだ。ネットブック特有の弱点は改善されつつあるものの、価格は以前より割高になっている。

 PCの売り上げデータを見ていると、いよいよ不況による販売不振の「下げ止まり」が明確になって来ている。

 とはいえ、もともとコンシューマ向けのモデルは好調で、台数的にはよく売れていたのだ。ただし、売り上げ額は芳しくなかった。

 これは、間違いなくネットブックの影響である。ネットブックが爆発的に売れているために、PCが一気に低価格化しているのだ。

 ネットブックには、他のPCと明確な違いがある。CPUにAtomを採用し、HDDが160GBのモデルがほとんどだ。また、現時点ではOSに「Windows XP」を採用している。

 このように、ネットブックのスペックにやけに共通点が多いのは、インテルとマイクロソフトから制限が付けられているからだ。その内容は公表されていないのだが、製品を見ればわかる。

 つまり、制限を守った製品には、CPUやOSが安く提供されるため、「驚異的なプライス」が実現されているというわけだ。

 だが、この制限も実は徐々に緩和されており、ネットブックの構成は登場当初と比べて大幅に向上している。

 特に大きなポイントは、7月にも本連載で紹介した「高解像度化の流れ」が決定的になり始めたことである。今回のポイントも、そこにある。

 そもそも、ネットブックの液晶は8~10型程度が一般的で、解像度は1024×600ドットが主流だった。実際に使ってみると、液晶サイズより解像度の狭さが致命的だ。画面が狭く、ネットブック本来の用途であるウェブを見ていてもストレスが溜まる一方なのである。

 特に、縦方向の解像度が低いために、頻繁なスクロールが要求される。また、インタフェースにリボンを採用した「Office 2007」は、画面が狭くて使いづらい。

 「PowerPoint 2007」で作業をすると、編集領域は名刺程度のサイズしか確保できないケースさえ出て来る。