アップルが満を持して発表した新OS「Snow Leopard」。ビジュアルはこれまでとほとんど変わらないが、実は同時期に発売される「Windows 7」の対抗軸を明確に意識したコンセプトだ。

 アップルから新しいOS「Snow Leopard」が発表された。同社の売り文句によると、「世界で最も先進的なオペレーティングシステム。究極のチューンナップ、完了」だという。

 このフレーズは、Snow Leopardの意味を内面的にも表している。ちなみに、MacのOSは「Mac OS X」というバージョンが長く続いており、さらに「Mac OS X Leopard」から「Mac OS X Snow Leopard」へとバージョンアップしたのだ。

 実は、この10月には、マイクロソフトの新OS「Windows 7」が登場する。PCの世界では、激しいOSの合戦が繰り広げられようとしているのだ。

 アップルが、8月末にSnow Leopardを発売するのは、「Windows 7より先」を狙った戦略であることは、疑う余地がない。今回は、その魅力がどこにあるのか、深くチェックして行くことにしよう。

 我々ユーザーにとって、OSの乗り換えは「人生の選択」と言えるほどの一大事だ。OSを変更すると、PC本体(ハード)を買い換えなければならない。

 周辺機器は共通のものが増えているが、アプリケーションの買い換えも必要だから、出費がかさむ。何より、コストだけではなく、「使い慣れた環境からの移行」という、大きなハードルも越えなければならないのが最大の問題だ。

 たとえ「他のOSのほうがよい」と感じていても、今まで慣れ親しんだ環境をかなぐり捨てて乗り換えるには、相当な覚悟と時間が必要なのだ。

 ここが、今回最大のポイントである。マイクロソフトには、「9割を超えるユーザーが慣れ親しんで来た」という最強の武器がある。だから、新しいMac OSが多少優れているくらいでは、簡単に乗り換えるユーザーは多くないはずだ。

 Windows 7は、失敗作と言われる「Windows Vista」を改良し、主にレスポンスを向上したOSだ。もちろん、新機能も多く追加されているが、メインテーマは「レスポンス向上」に他ならない。さらに、外観も大きく変更したことで“生まれ変わった感”は十分に感じられる。