日本はアジアパシフィックで
12ヵ国目の調査実施国
「従業員にとって働きやすい企業は、そうでない企業と比べて利益成長率が高い」
これは、アジアパシフィック地域で過去14年にわたり、企業と従業員の関係を調査してきたエーオンヒューイットが明らかにしているデータだ。具体的には同社が実施している「ベスト・エンプロイヤー調査」の結果から明らかになったことだ。
本調査の概要については、本連載の第9回で同社の日本法人社長の楠見スティブン代表取締役社長に聞いたとおりだ。改めて簡単に言うと、まず調査対象企業の人事制度について詳細な調査を行い、次に従業員への職場環境や人事制度についてのオンライン調査、そしてそれらを踏まえた経営者へのインタビューの3段階の調査を実施する。その分析結果を第三者による審査委員会にかけて、最終的なスコアを決定する。
これまで、中国、インド、オーストラリアなどアジア太平洋地域の11ヵ国で調査を実施してきたが、2015年度(2014年調査)は12ヵ国目としてはじめて日本で調査が実施された。
本調査は、エーオンヒューイットへ依頼があった(参加表明した)企業を対象としているので、全ての企業に対する調査結果ではない。だが、過去にアジアパシフィック地域で、各国の主要企業530社以上が参加し、累計45万5000人以上の従業員が調査対象となった。この種の調査では最大規模となっている。
そして今回の初調査で、日本から2社のベスト・エンプロイヤー企業が選ばれた。ホテルチェーンのザ・リッツ・カールトン東京と、国際航空物流のフェデラルエキスプレスコーポレーション(Fedex)だ。
そのなかから、今回はザ・リッツ・カールトン東京の総支配人であるジョン・ロルフス氏に、同社の働き方と、従業員と企業の関係などについて聞いた。