関係者によると、安全管理や運航オペレーションに豊富な実績を持ち、航空事業を知り尽くしているANAなしには再生は難しいとのコンセンサスが醸成され、スポンサーとして有力視されたのはここ1カ月のことだった。

 さらに、債権者との交渉力にも期待が寄せられている。スカイマークは3000億円超の債務を抱えており、この整理が焦点となるが、ANAは大口債権者である航空機メーカーの欧エアバス社やリース会社と取引があり、交渉が有利に働きやすい。

 国内航空大手のもう1社である日本航空(JAL)は、2010年に会社更生法を適用して多額の債権放棄を受けたことなどから、16年までは国の監視下で新規投資を凍結されている。ANAによる支援は必然の流れだった。

 ただ、ANAはこれまで、経営が立ち行かなくなった北海道を拠点とするエア・ドゥや宮崎県を拠点とするソラシドエア(スカイネットアジア航空)など、スカイマークを除く全ての新興航空会社に出資し、役員を派遣するなど支援している。

 その上、唯一独立性を保っていたスカイマークまでもがANA傘下になってしまえば、国内航空業界の競争環境にゆがみが生じるという声も根強い。 

エア・ドゥやスカイネットアジア航空に関しては、メディアがANAの傘下だと書き立てていますが、実際はそうではありません。彼らには大変に失礼な話ですよ。あくまで、コードシェアによる座席買い取り契約に基づいたもので、お互いにWin-Winの関係を築いているのですから。

当社からの出資は20%未満にとどまっているし、独占禁止法があって運賃やネットワークについても一切口出しはできないんです。 

 最後までもめたのが出資比率だった。ANA単体での出資比率は19.9%にとどまるが、親密な金融機関との出資を合わせて過半出資を狙っていた。協議の結果、インテグラルが50.1%と過半出資することで話はまとまったが、新社長はANAが選定するなど、影響力は大きい。果たしてスカイマークの独立性は保たれるのか。