昨年末から、航空業界を巻き込んで進められてきたスカイマークの経営再建。しかし、資金繰りの悪化を打開できず、ついに力尽きて民事再生法の適用を申請した。だが、根本的な再建策はこれから。しばらくはいばらの道となりそうだ。

 浮上策が不発に終わり、万策尽きて急降下──。2015年1月28日、経営再建中のスカイマークが民事再生法の適用を申請した。負債総額は710億円、西久保愼一社長は経営責任を取って辞任、有森正和取締役が社長に就いた。

民事再生法の適用を申請し、記者会見したスカイマークの有森正和・新社長。ファンドの支援を受けることで大手傘下に入らず、独立経営を続けることを強調した
Photo:EPA=時事

 スカイマークは、経営が行き詰まった原因について、急激な円安によるドル建てリース料支払いの負担増や、競合他社との競争激化などを挙げている。

 しかし、内情はそんな悠長なものではなかった。

「予定されている決算発表ができないのではないか」

 1月中旬、航空業界ではそんなうわさがささやかれていた。というのもスカイマークは、1月29日に14年度第3四半期決算の発表を控えていたが、「それまで資金が持たないのではないか」との観測が流れていたからだ。

 スカイマークが資金繰りに窮していたのは間違いなかった。13年3月末には231億円あった手元資金が、14年9月末には45億円にまで減少していたからだ。

 致命的だったのが、14年12月の搭乗率。年末年始の書き入れ時にわずか54.5%にとどまり、スカイマークの体力を確実に奪っていった。