研修中は、自分の周りに同じ研修生として草取りをしてくれる人や苗を植えてくれる人がいましたが、独立した途端にそういう人はいなくなります。つまり、独立したあと、自分で人件費を支払って農業経営をするイメージができにくいのです。

 そういった点で、成功している人は最初の研修先選びの段階で、農業だけで成り立っている経営者を選択しています。

 研修先選びで、その後の経営が成功するかどうかの50%が決まるといっても過言ではありません。これは、企業が間違ったビジネスモデルでは成功しないのと同じことです。

 また成功している人は、地域で長く農業をしてきた人の情報をとても大切にしていることも共通しています。

 それは、大学などでどんなに農学を学んでも、いろいろなところで研修をしてきて農業のことを広く知っていても、かなわない知識や知恵があるからです。

 気象条件や畑の癖は、その地域や畑ごとに違ってきます。そのことを長年の経験の中で熟知している地域の方はとても大切な存在です。

 そして、そのような人は、なによりも独立した人たちに興味を持ってくれます。何か問題が起きたときには、好意的に教えてくれることも多いのです。

 成功している人たちは、地域の人たちからの情報によって、作物や畑にアクシデントがあったときでもいち早く対応ができ、大きな問題に広げないことができるわけです。