時計大手のセイコーホールディングスに対し、約2万3000人の組合員を擁する「セイコーグループユニオン」傘下の労働組合が株主代表訴訟を起こす構えであることがわかった。
3月5日付の文書で、監査役に対し、経営陣5人に総額40億円の損害賠償請求を求める訴訟を起こすよう、提起した。会社法に基づき、監査役が提訴しなければ、組合が訴訟に持ち込む方針だ。
その1週間ほど前にも、同様の理由で、個人株主が経営陣3人に総額10億円を求める提起をしていた。
2期連続の最終赤字見通しという業績の悪化に加え、子会社の銀座・和光の不透明な経営実態に対し、株式を保有する組合の不満が爆発したかたちだ。
和光は08年3月期時点で、11億円の債務超過であることが判明した。少なくとも03年から営業赤字が続いている。
メインバンクのみずほコーポレート銀行も経営改善を要請し、不動産の売却や和光事業の縮小などを求めている。
世界の「セイコー」で何が起こっているのか。本誌3月20日号(15日より書店で発売)で詳報する。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志)