丸井グループの元常務執行役員が、傘下のエポスカード社長在任時に生み出した発明の対価の一部支払いを求めて同社を東京地方裁判所に提訴したことが、ダイヤモンド編集部の取材で3月31日、分かった。元役員は発明が業績に大きな貢献を果たしたとして、受け取るべき対価は約90億円に上ると主張している。(ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)
エポスカードの発明対価求め提訴
原告はカード事業成功の「立役者」
丸井グループ(G)の元常務執行役員が、傘下のエポスカード社長在任時に生み出した発明の対価の一部支払いを求めて同社を東京地裁に提訴したことが、ダイヤモンド編集部の取材で3月31日、分かった。
クレジットカード業界で勝ち組とされるエポスカードで、元幹部が古巣にいわば“レッドカード”を突き付ける異例の展開となった。
小売業のイメージが強い丸井Gの成長をけん引するのはエポスカードだ。丸井Gの2022年3月期の連結営業利益は365億円となる見込みだが、エポスカードを中心とするフィンテック事業はそれを上回る410億円に達する予定だ。
訴えを起こしたのは、丸井Gの常務執行役員を21年に退任した瀧元俊和氏だ。瀧元氏は04年秋、マルイカード(現エポスカード)発足時、カード・クレジット企画部長に就任。12~16年にはエポスカードの社長を務めた。カード業界では、瀧元氏は最後発のエポスカードを勝ち組に押し上げた立役者として知られる。