セントラル硝子が本業の板ガラス事業で欧米から撤退【スクープ】写真はイメージです Photo:123RF

国内ガラスメーカー大手のセントラル硝子が、本業である板ガラスで欧米事業から撤退する方針を固めたことが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。近く発表する見通し。欧米で展開中の事業を米投資会社アトラスホールディングスに売却する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

「日本からガラス生産がなくなる始まり」
売却先はLIXILのいわく付きの会社も買収

 国内ガラスメーカー大手のセントラル硝子が、本業である板ガラスにおいて欧米事業から撤退する方針を固めたことが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。投資ファンド関係者が明らかにした。近く発表する見通しで、米投資会社アトラスホールディングスに売却する。

 セントラル硝子は、国内で板ガラスを生産する4窯のうち、2窯を休止するなど、本業ながら深刻な営業不振に陥っているガラス事業の生産を縮小する方針を明確にしていた。同社はガラス事業に見切りを付ける格好で、現在利益の大半を稼ぐ化成品事業に注力していく考えだ。

 セントラル硝子は、2014年に米ガラス大手ガーディアンインダストリーズの自動車用ガラス子会社2社を約90億円で買収するなど、欧米事業を伸ばそうとしていた時期もあった。だが、「技術的、人的な問題もあって、事業が思うように伸ばせなかった」(セントラル硝子関係者)というのが実態だった。

 一方、今回同事業を買収するアトラスは、LIXILグループが20年にイタリアの建材子会社ペルマスティリーザを売却した先。ペルマ社の売却問題をきっかけに、LIXIL創業家の潮田洋一郎氏が失脚したいわく付きの案件である。