ケン・ブランチャード
  『1分間マネジャー』(The One Minute Manager)は1982年にアメリカで初めて出版された。

 頭の固い学者たちからは陳腐で浅薄だと批判されつつも、25以上の言語に翻訳され、これまでに700万部以上を売り上げており、マネジャーの本棚に置かれていることも多い。この本はマネジメントに関する著作に新しいジャンルをもたらし、多くの模倣作品のモデルとなった。

人生と業績

 ケン・ブランチャードはコーネル大学で政体論と哲学を学び、同大学で経営管理の博士号を取得した。1980年代初期にはアマーストのマサチューセッツ大学のリーダーシップ論および組織行動学の教授を務めた。彼は、リーダーシップ、モチベーション、チェンジマネジメントといった分野で広範な研究、執筆活動を展開した。

 ポール・ハーシーとの共著『入門から応用へ行動科学の展開』は現在7版を数え、定番テキストとなっている(Management of Organizational Behaviour:Utilizing Human Resources)。

『1分間マネジャー』について、ブランチャードと共著者であるスペンサー・ジョンソンは、「これまで多くの賢い人々がわれわれに教えてくれたことや、われわれ自身が学んできたこと」を分かりやすいたとえ話にまとめたものだと言っている。(『1分間マネジャー』序文)

思想のポイント

●1分間マネジメント
『1分間マネジャー』は、こころざしに燃えるある若いマネジャーが自分の考えや行動の模範となるような究極のマネジャーを探して旅に出るという構成だ。このマネジャーの卵は星の王子様とキャンディード(ヴォルテールの小説の主人公)を足して2で割ったような人物で、旅を続けるうちに科学的学派と人間関係学派の両極端な思想の板ばさみになる。