中国経済というと、日本でよく報道されるのは不動産の市況悪化や経済成長率の減速です。実際、中国の経済成長率は今年の第1四半期に7%と1990年以降でもっとも低い数字となっており、輸出入のデータからは第2四半期は経済成長が更にスローダウンしたのではと懸念されています。
しかし、中国ではこのように実体経済がスローダウンする一方で、金融市場では株式投資バブルが起きており、“かなりヤバい水準”にまで来ているのではという報道が海外では増えてきています。このバブルが遠からず崩壊する可能性があるとしたら、安倍政権の経済運営にとって大きなリスク要因になるのではないでしょうか。
1年で平均株価2.5倍上昇
過熱する上海市場
実際、上海市場の平均株価(上海総合指数)は過去1年間でなんと2.5倍も上昇し、先週は2008年以来久しぶりに5000を超えました。この事実だけでも株式投資バブルの発生を疑うには十分なのですが、海外の報道を見ていると、その内実は呆れるくらいに危機的なものを感じます。
そもそもこの株式投資バブルのきっかけは度重なる金融緩和と財政出動にあると言われていますが、それが今後も続くだろうという予測の下、金利が低下する中で中国の機関投資家は40兆円(!)もの銀行借り入れをして株式投資を行なっているとのことです。
しかし、それより凄いのは上海市場での株取引の80%を占める個人投資家で、銀行預金や債券投資を引き揚げ、更には銀行から借り入れまでして全財産を株に突っ込んでいる人も多いようです。素人の個人投資家もこの千歳一隅の儲けの機会を逃すまいと大挙して株式市場に押し寄せているとのことです。