前回の「教師も加わり“葬式ごっこ” 中学生の壮絶いじめの実態」を紹介した記事に対し、やはり関心が高いのか、多くのアクセスと反響が寄せられた。
<担任のいじめに対する感度が鈍すぎるだろう、と呆れましたが、担任は生徒間のいじめに気づきにくいという傾向があります>
そんな教師目線の実情を明かしてくれたのは、元教員のROSEさん(ハンドルネーム)だ。
ネット上でコラムも発信しているROSEさんは、自分もクラス内のいじめに気づけなかったことがあり、いまも現役の同僚が似たような問題に直面しているとして、こんなメールを寄せてくれた。
<別の学年グループが、特定の生徒に「死ね!」「殺す!」などと、言っているのを目撃しまして、注意したら、その後、無視するようになったのです。
そのグループのクラス担任に報告したら、「仲良しグループ内でふざけているだけなので」と言う返事。え?!違うだろいじめだろ!何か起こる前に何とかしなくては、と、考えているのですが、学年団が違うと、その生徒たちとの接点がほとんどなく、また、生徒指導部でもないので、非常に動きにくいのです>
前回紹介したケースは、クラスぐるみでいじめを隠しているという視点に、他の教員がまったく気づけなかったことが、問題を深くしていると指摘する。
<気づいたら動く人は必ずいたはずなんですが…。いじめや事件に対する「知識」がないのではなく、「感度が鈍い」んだと思います>
担任教師がいじめに
“気づかない”4つの理由
筆者は、ROSEさんに面会を求め、話を聞いた。
「私が担任していたときも、毎年、気づかなかったいじめがあり、後で報告を受けました」
担任がいじめに気づきにくい理由について、ROSEさんはこう分析する。