「本題70%・その他30%」の
シナリオ黄金比の法則

プレゼンの3要素のなかでも軽視されがちなのが、プレゼンの土台とも言えるシナリオです。

多くの人の視線を最後までとらえて離さないプレゼンには、すぐれたシナリオ展開が存在します。トークやスライドづくりにそれほど自信がない人でも、シナリオさえしっかりしていれば、聞き手の注目を集めるのがグンと楽になります。

人を動かすプレゼンの<br />黄金比「30対70」とは?西脇 資哲(にしわき・もとあき)日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員/エバンジェリスト
1969年岐阜県生まれ。09年、マイクロソフトに入社。マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。
また、独自のプレゼンメソッドが口コミで広がり、全国から講演・セミナー依頼が殺到。「年間250講演、累計5万人以上・200社以上が受講」という圧倒的実績を持つNo.1プレゼン講師としても知られている。
著書に『プレゼンは「目線」で決まる』など。

プレゼンのシナリオを考える際に、まず意識していただきたいのが、「本題」と「それ以外の話」との比率です。

みなさんは、与えられたプレゼン時間のうち、何%を「本題」に使っていますか?

私がこれまでの膨大なプレゼン経験から導き出したのは「70%」という数字です。つまり、残りの30%は「本題以外のこと」を話すべきだということ。

では、本題以外に何を話すのか?

私はこの前半の3割の時間を課題提起にあてています。残りの7割の時間で「本題」について語る。
これこそがプレゼンのシナリオ構築における「黄金比」なのです。

この3割というのはみなさんが想像する以上に大きな割合だと思います。

たとえば、私が定期開催している「エバンジェリスト養成講座」は、120分の持ち時間をいただいていますので、開始からおよそ40分近くは本題に入っていきません

これにより、本題を受け入れるための視点を、多くの聞き手に共有してもらい、「今日は何かプラスになることを持ち帰らないともったいないぞ……」という気になってもらうわけです。

焦るあまり、すぐに本題に入ろうとしてしまう人は多いと思いますが、プレゼン全体のシナリオをつくる際には、まずこの「30対70の黄金比」を基本的な枠組みとして設定してみてください。