日本企業の投資行動パターンが
理由ではないか

 筆者には、日本企業の投資行動に1つの理由があるように思える。

 設備投資をはじめとする企業の投資は、本来、将来の需要予想に基づいて行われるべきものだ。しかし、現実の日本企業では、多くの場合、投資が利益の関数になっているように思われる。要は、儲かったら強気になって、大規模な設備投資を行ったり、大型のM&Aに打って出たりする傾向がある。

 典型的なのは、日本がまだ世界をリードしていた頃の半導体産業だ。利益が出ると各社一斉に設備投資を拡大し、やがては供給超過を招いて大赤字に陥るパターンを繰り返した。

 今後、各社が気をつけるべきは、設備投資に加えて、M&Aだろう。短期間でシェアを買うことができるし、成功すればいかにも経営者の手柄に見えやすい。しかし、買収は高値で行いがちだし(ちなみに買収競争の勝者が高値で買ってその後に苦労する現象は「勝者の呪い」と呼ばれている)、買収した企業の経営は簡単ではない。

 さりとて、「私の履歴書」に経営者が登場するような日本の代表企業が、ROE低下を恐れて自社株買いばかりに儲けたお金を使うのでは世の中が良くならない。

「私の履歴書」の昨年、今年の登場企業には、トヨタ自動車、日立製作所など、日本経済への影響が大きな超大物が入っている。「呪い」が終わることを、切に「祈り」たい。

 他方、今後、どの企業の関係者が「私の履歴書」に登場するのか、気になるところだ。株式投資家は、自分が株式を持っている会社の関係者には登場してほしくないところだろう。今後登場する人物は、「私は、違う」、あるいは「我が社は大丈夫だ」と自信を持って登場するのだろうか。

 「私の履歴書」に興味が尽きない。