マーケットは小さい(当時、500億弱の市場)ながらも、毎年安定した市場が存在することや、売上が小さいなかでも伸び始めているアイテムだったことです。しかし一番の理由は、ランドセルを購入していくお客様が「今までに見たことがないほど喜んでお買い上げいただき、しかもお礼まで言ってくれるような商品だった」(福住社長)からです。

ランドセルの販売ピーク時にごった返す店内

 入学後に写真を持ってお礼に来てくれる…。ランドセルを背負うお子さん以上に、その親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんたちが感激する商品であることを福住社長は知りました。これが同社の品揃え強化の一番の決め手となりました。

 しかしランドセルという商材は、非常にクローズドな世界で成り立っていました。同社はもともとお付き合いのあった鞄問屋さんの廃業により、ランドセルが手に入らなくなります。その後、いくつかのメーカーから仕入れをしますが、また廃業。商品を安定的に仕入れられる状態になるまで3年ほどかかりました。それでも結果的に品揃えが充実し、5坪ほどの売場ではありましたが、2010年には年間100個を超える販売実績となったのです。

 この頃から、主に接客の良さが口コミで広がり、売場にはたくさんのお客様が集まるようになってきました。

 おじいちゃん、おばあちゃん、ご両親、ご本人とその兄弟姉妹という一家族6~8人くらいのグループでやってくるご家族も多数います。更に、同店でお兄ちゃんやお姉ちゃんが買ったら、その弟や妹もほぼ購入するので、きょうだい購入率は100%。

 そして、2011年には数百個の販売へと拡大し、ランドセルを陳列するスペースを拡大できなくなったため、やむを得ず新店を開発することになりました。これが2012年に完成した新館、ランドセル専門館「ふくふくらんど」のスタートです。

ランドセルの多様化で、需要に変化

 2012年あたりから、世の中のランドセル需要に変化が表れ始めました。

 一つは購入時期の早まり、もう一つはランドセルに求めるデザインと価格ニーズの多様化です。

(1)購入時期の早まり

 2009年の販売ピークは1月でした。

 これが2010年は12月、2011年は11月、2012年は10月になり、2013年は9月、2014年は8月と、毎年1ヵ月ずつ早まってきています。これには二つの理由があります。