知能――おもちゃの上にハンカチをかぶせてみる

 この時期には、問題解決のために頭を使うという知能の働きはまだありません。

 たとえば、赤ちゃんにおもちゃを見せて、その上にハンカチを1枚かぶせてみます。

 下のおもちゃの形がハンカチを通してわかると、赤ちゃんはハンカチをどけておもちゃをとろうとします。おもちゃが見えているからです。

 今度はハンカチを2枚かぶせて、下のおもちゃの形がわからないようにすると、赤ちゃんはもうハンカチをとりあげません。

 この時期の赤ちゃんにとって、見えないものは存在しないものなのです。
 また、おもちゃの一部分だけをハンカチでおおったとき、赤ちゃんはハンカチを手でとりのけて、おもちゃをつかみます。見たものが見えなくなっても、それがなにかがわかっているのは、視覚印象が脳のなかにはっきりできる第5期(二足歩行期、歩きはじめるころ以降)になってからです。

 ワーキングメモリーの発達は、まだまだ弱いのです。

かわいがられていると感じさせる
――短期記憶をつける法

 この時期でも、赤ちゃんがかわいがられていると感じさせることは大切です。

 「いない、いない、ばあ」といった遊びは、なにかを期待すること、短期記憶をつけることにも有効に働きます。

 この時期のおもちゃは、手でにぎれる5~12センチ程度のもので、鏡(徐々に興味を示さなくなるが)、ぬいぐるみ、ボールなどいろいろな大きさのものが好ましいものとしてあげられます。いくつかのものを重ねあわせたり(3段重ねのコップ)、お互いにくっつきあう積木なども、よいおもちゃといえます。

 赤ちゃん用の補助椅子は、この時期の終わりごろには不可欠です。
 お母さんが用事をしているときに、そばにおくのには好都合。この時期になると、動きまわる赤ちゃんを、ダンボール箱のなかに入れておくことはできません。

 しかし、長いこと椅子にすわらせてイライラさせるのもよくないのです。
 具体的なやり方は、『赤ちゃん教育』の【実践篇】にイラスト満載で掲載されているので、そちらを参考にしてみてくださいね。