人見知り
――母子の愛情関係、理屈をこえた関係ができる

 この時期のはじめのころの赤ちゃんはたいてい上機嫌ですが、だんだん相手を区別するようになり、「人見知り」がはじまります。

 自分をかわいがってくれる人とそうでない人を区別し、かわいがってくれる人が相手になるとほほえむのに、そうでない人、他人にはほほえまないばかりか、不愉快な感情をあらわします。

 この行動は、自分を育ててくれる人に対して固着する行動で、母と子のきずなをつくるのに大事な行動ですから、早く覚えてくれることがのぞましいのです。

 赤ちゃんは自分を守ってくれる人のうちのひとり、お母さんにとくになつき、お母さんにとくによく笑うようになります。

 お母さんもとくにかわいいという愛情をもつようになりますが、人見知りをはじめる時期でもあります。

 この母子関係ができあがると、母子の愛情関係が確固なものとなり、一生つづき、忘れることのできないものになります。戦場で死にのぞんだ若者が「お母さん」といって息をひきとっていく話など、親と子の関係は、理屈をこえた関係なのです。

 この関係の成立は、言葉の発生に非常に重要です。赤ちゃんは他人を区別し、それを言葉で理解するようになっていくからです。

小さいものをいじって遊ぶ時期
――手の動きが確実になる

 まだ、自由に動きまわれない赤ちゃんのすることは、目で見て、音で聞いて、目を向けたものを手にとってさわって、そのものの性質を理解することです。

 この動作は第3期(腰すわり期)にはじまったものですが、手ではもっと小さいものがいじれるようになる(0.5センチのものでも可能)ので、赤ちゃんの外界の理解はいっそう深く複雑なものになっていきます。

 上腕も使えるようになり、手の動きは確実なものになっていきます。手でいじくったり、落っことしたり、投げたり、手をもちかえたりして、そのもののもつ効果を知り、そのものの性質をいっそうよく理解していきます。

 大きな筋肉を動かせることや、腕や脚を動かすこともはじめます。

 この時期に、動かすことが心地よいものだと思わせることが、積極的に身体を動かすことを好む子どもに育っていく鍵です。

 そのためには、脚や腕を動かしたら、ほめてやることです。そして、くり返し、脚や腕の運動をするようにしむけることです。ほめられると、気持ちよくなってうれしいから、もっとくり返して動かすことになるのです。ほめることが報酬なのです。

赤ちゃんが新しく覚えた運動のパターンをくり返すことを楽しむようにしむけましょう。