『中谷彰宏の人生道場』テーマ第1弾は、「話し方」です。自分の思ったことをわかりやすく伝えたり、相手を説得したりするためにはコツがあります。多数の講演をこなしてきた中谷彰宏が、自身の経験を活かし、「話し方」の極意を公開します。
「伝える」と「伝わる」は、違う。
「伝える」と「伝わる」はイコールではありません。効率のいい伝え方はあります。でも、それは必ずしも効率のいい伝わり方ではないのです。
セールスでトップになる人は話し方がうまいかというと、意外にそれほど上手くはありません。「この人がトップセールスマン?」と思うぐらい、とてつもなく支離滅裂な話し方をする人がいました。
私は博報堂でいろいろプレゼンテーションをし、数えきれないぐらい他人のプレゼンテーションも聞いてきました。
こんな支離滅裂なプレゼンは初めて聞きました。めちゃくちゃすぎですが、さすがだと思いました。この人がトップセールスマンの秘密はこれだと気づきました。
内容で説得しようとしていないのです。自分の人間味をつないでいってお客様は買っているのです。
たとえば、保険の勧誘をして契約してもらう時に、保険の説明は複雑すぎます。お客様が契約するのは、ほかの保険商品よりも有利だからではありません。
今の商品は、きわめて細分化しています。商品ではなくて、人なのです。
その商品の内容を理解してから契約しようとする人は逆に減っています。昔の契約はとても簡単でした。