『中谷彰宏の人生道場』テーマ第4弾は「リーダーシップ」です。ひとくちに「リーダー」と言っても、部下に好かれるリーダー、そうでないリーダーなど様々なタイプがいます。その違いはいったいどこにあるのでしょう。これから紹介するのは、「部下がなかなかついてきてくれないリーダー」「部下をリーダーに育てたいリーダー」「リーダーの勉強を今のうちからしておきたい部下」のために書いた言葉です。これらの言葉を活かし、「この人にほめられたい」と部下から言ってもらえるリーダーを目指してください。
話題が豊富なリーダーに、
人はついていく。
「あの人についていきたい」と思われるリーダーは、話題が豊富です。「そんな話をどこで仕入れてくるんだろう」と思います。
話題が豊富であるためには、勉強しなければなりません。みんなと離れて、1人で本を読んだり、映画を見たり、興味を持っているテーマの勉強会や研修会に参加しています。
やたらと会議室にいたり自分の机にずっと座っていません。みんなと一緒に食事会ばかりしていたら、話題は豊富になれないのです。
話題が豊富でないリーダーは、ひたすら昔話をしています。「話題豊富」の反対語は「昔話」です。
新ネタがないので、昔話が延々繰り返されるのです。「オレの若いころはな」「昔はね」から話は始まります。「また始まった。その話はさんざん聞いている。新しいネタないの」と思われます。
映画の話をしたら、「映画で思い出したんだけど、昔ね」と言うのです。スタッフは、「ダメだよ。この人に映画の話を振ったら、またあの映画の話ばかりするんだから」と言われます。
半ば自慢話です。
「昔、オレもワルでね」と言うのは、大体まじめな人が多いのです。「今、ワルでね」と言うなら、まだ少しカッコいいと思います。
本当のワルの人の話題が面白いです。そういう人は「オレはワルでね」とは絶対言いません。「なんでこんなことを知ってるんだろう」と思うことがいくらでも出てきます。その瞬間、「この人は実はものすごく遊んでいるな」と、底知れぬ世界観をかいま見ることができます。
これがなんとなくカッコいいので、「この人についていこう」と思うのです。
「昔はね」と言って、「またその話だよ。この話で2時間かかっちゃうよ」と思われるようではいけないのです。
【人がついていくリーダーになるために その6】
昔話を、やめよう。