逆境のときほど選手や地元のクラブチームを応援する。なでしこは、プロ契約でない選手もいまだにいて、仕事と両立しながら奮闘しています。個人レベルならチケットを買って応援する、企業ならばスポンサーになって支援する、そうした積み重ねが大事です。

 とはいえ、一部のコアなファンや奇特な企業が地道で地味なことに取り組んでいるばかりでは、真の意味での国民的スポーツにはなり得ません。すでに日本サッカー協会がその意思を示していますが、モチベーションとなる起爆剤として、2023年の女子ワールドカップの日本開催に向けた招致活動に向けて、民間を中心に盛り上げていくことも一案だと考えます。自国開催となれば、女子サッカーの裾野を拡大させていく上でインパクトを与えるでしょう。

 ピッチに立ちたいという少女たちに夢を与え、指導者も、保護者も、地域社会も目の色を変えて応援していきます。メディアを通じた女子サッカー人気はもはや定着していますから、「自分たちの街のスタジアムで試合を開催したい」「地元から選手を育て送り出したい」といった具体的な目標につながり、育成・競技普及の後押しになります。広告宣伝効果が見込めるので、スポンサーとして女子サッカーを応援したいという企業も増えます。

日本サッカーの「女子力」を
国レベルで押し上げよう

 もう1つ、女子サッカーのワールドカップ開催は「ポスト東京五輪」を見据えたスポーツコンテンツの目玉になるだけでなく、オリンピックで投資を終えて余力が少なくなった日本社会の“身の丈”に合っている点でも現実的です。

 競技場は2002年男子大会と20年オリンピックで整備されているので、新たな税金を投入する必要がありません。そして、スタジアム経営の課題である稼働率向上も期待できます。今回のカナダでのワールドカップでは、全会場で135万人が観戦しました。国内だけでなく、インバウンドによる経済効果ももたらします。

 このように、女子のワールドカップ招致は様々な効果が期待できますが、招致の有無を問わず、もう一度アメリカに勝って世界の頂点に立ちたいのであれば、日本サッカーの「女子力」を、現場レベルから国レベルで押し上げていくことが必要なのです。