惜しくも、準優勝でしたが、2大会連続決勝進出。これだけの成果を出したのは、佐々木則夫監督が、知見や戦略が超一流だったから、だけではありません。
選手である、なでしこたちが「がんばろう!」「この人についていこう!」と思う、そんなコミュニケーションをしていたからです。そのコミュニケーションは、サッカーだけでなく、女性の部下を持つビジネスパーソンにも応用がききます。女性たちが、やる気になるコミュニケーション術を佐々木監督から学んでみましょう。

女性をやる気にする伝え方 その1
「話を最後まで聞く」

なぜ、なでしこジャパンの佐々木監督は、<br />女性をやる気にさせるのか?「 なぜ佐々木監督は、なでしこたちのやる気に火をつけられるのか?」サッカー女子W杯 記者会見する佐々木監督=4日、バンクーバー(共同)

 佐々木監督はこう言っています。

「女性をうまく扱うことはできないが、女性の意見に耳を傾けて、自分を変えることぐらいならできる」

 佐々木監督は、自分自身の言いたいことがあったとしても、話しを途中でさえぎって自分の主張はしないと言います。澤選手が「練習量が多すぎて、みんな疲労がたまって試合では動けなかった」と相談をもちかけたとき。違う考えを持っていた佐々木監督は、話を最後まで聞き、いちど受け止めた上で自分の意見を伝えています。

 女性は、「自分の話しを最後まで聞いてほしい」という気持ちが男性以上に、強くあります。途中で「いや、そうじゃなくて」と遮られて話されると、結果として相手が正しかったとしても、素直に納得しにくいのです。