安倍晋三政権は信用できない

 ところが日本政府は、まったくの無策である。
 無策どころか、帰宅してはいけない放射能の危険地帯に「戻れ」という帰還政策を積極的に推進している。

 今年5月には、自民党の東日本大震災復興加速化本部が、危険地帯への帰還促進策を発表して、「帰還困難区域を除き、精神的損害賠償(10万円)を2018年3月で打ち切る」という方針を打ち出したのだ。

 このトンデモナイ“殺人者”たちが、国会を占拠しているのだ。
 この10万円を失えば、生活さえできなくなるのだから、福島県民は、「この世には神も仏もなかったのか」と叫んでいるが、テレビと新聞はまるでその声に耳を傾けない。

 チェルノブイリ原発事故を起こした共産主義国のソ連でさえ、最初におこなったのは、危険地帯からの住民の強制避難であった。

 ところが日本では、事故発生直後から住民の避難に消極的であった。テレビに、情緒的な「絆」などという文言が乱れ飛んで、「互いに助け合う」という嘘八百の美談で、この壮大なフクシマ原発事故の凄惨な地獄を、おおい隠そうとしてきた。

 著名なスポーツ選手や芸能人が、福島現地に入って、偽善的な激励をし続けてきた。彼らは福島県内の子供たちに、「ここから早く逃げなさい」とは決して言わなかった。それがこの4年間に日本人がしてきたことだ。

助け合いの「精神」ではなく
助けるための「実効ある手段」を!

 私は、日本人として生まれたことが、これほど恥ずかしいと思ったことはない。

 重要なことは、助け合いの“精神”ではない。
助けるための、“実効ある手段”なのである。
避難によって生じた肉体的・精神的な被害と、経済的被害を賠償することである。

 放射能に汚染された家屋や田畑に囲まれて、生活するだけで危険にさらされているのだから、東京電力と日本政府は、あらゆる手段をつくして損害賠償をしなければならない。

 とりわけ、将来にわたって不安な健康被害を防ぐための医療検査や、今後の障害の発症を予防し、治療の責任も果たさなければならない。

 安倍晋三は、それをやっているのか? 
 何もしていないではないか!
 やっているのは、加害者である犯罪者の電力会社の救済だけだ。

 一体、どこを向いて政治をしているのだ。
 悲しんでいる被害者を救う気がないのか? 
 ないなら、国会議員を辞職しろ!

 目をつぶっているテレビと新聞も同罪だ。