第3位「『どうやったらできるか』を考えなさい」

 何か上手くいかないことがあると、言い訳が先行してしまうことってありませんか? 私もトヨタグループに入社したばかりの時はそうでした。整備作業が上手くいかない、売上の目標が達成できない、集客が思うようにいかない。そんな時には必ず上司や先輩から「どうした?」と聞かれるのですが、その都度、言い訳が口をついて出てきたのです。

 すると、その度に「できない理由なんて聞いてない。どうやったらできるかを考えなよ」と上司や先輩にたしなめられていました。その度に私はハッとして、「実現の可能性」について考えるよう頭が切り替わるのですが、今ではその切り替え作業も不要になり、自動的に実現可能性を考えるようになりました。

 あとで聞いたのですが、トヨタには「言い訳をする頭で実行することを考えろ」という口グセが昔からあるのだそうです。確かに、言い訳をあれこれ思案したりぶつぶつと口にしているぐらいなら、その時間を使って実現に向けたアクションをするほうが生産性は明らかに高いですよね。

第2位「それ、横展しろよ」

「今よりももっと良いやり方を探す」というのがトヨタの伝統的な考え方だそうです。そして、もっと良いやり方を見つけた時には実際に行動に移すわけですが、そうすると先輩から褒められるかと思いきや、こう言われます。「それ、横展しろよ」と。

 横展とはつまり「横展開」の略で、自分だけのものにするのではなく社内全体で共有しろということです。大きな会社になってくると顕著ですが、壁を乗り越えた人がいたかと思えば同じ壁にぶつかっている人がいたりします。その壁の乗り越え方を共有すればすむ話なのに、それができていない。これは非常に無駄なことだと思います。

 成果を出したらすぐ「次は横展だ」と考えるクセがつくと、社内にノウハウが溜まっていき、無駄な時間のロスが少なくなっていくのではないでしょうか。